【レビュー】ペンタブレットIntuos Pro medium (PTH-651/K0)

公開日: : レビュー記事

wacom Intuos Pro medium Mサイズ PTH-651/K0

約1年8ヶ月ほど使っていた『Bamboo』から、新たにペンタブを『Intuos Pro』のMサイズに替えました。
購入後ある程度使い慣れたので、Bambooとの比較を交えつつレビューしてみたいと思います。

 

●外観

●大きさ
Intuos Proの大きさ

大きさは縦251.4mm、横379.9mmとなります。
隣に置いた30cm定規と見比べればなんとなくその大きさがわかると思います。
またペンタブの厚みによる段差は約6mm程度ありますが、特に引っかかりを感じることなく普通に描けています。

 

●裏面
Intuos Pro裏面

四隅にはクッションとなるゴム製の脚があります。
裏面には内蓋が2ヶ所あり、それぞれワイヤレスキットのモジュールとバッテリーを取り付けることができます。

 

●USBケーブル
Intuos Proサイド

Intuos Proは設定で右利きと左利きでペンタブを180°回転させて使用できますが、USBケーブルの差込口は自分の利き手側のサイドになります。
製品に入っているUSBケーブルはたったの1mしかないので、パソコンの周辺環境によっては届きません。
ワイヤレスの充電時はケーブルで繋がなくてはならないので、ケーブルを繋いで描きたいときは注意が必要です。
ちなみにBambooとはコネクタの形状が違うため、Bamboo用のUSBケーブルは使えません。

 

●ファンクションキー
Intuos Proファンクションキー

ファンクションキーは利き手側の反対側に8つ設置されています。(Sサイズは6つ)
前機種のIntuos5ではキーの部分が凹んでいて押しづらかったようですが、Intuos Proのキーは普通のボタンに戻っています。
個人的には1ヶ所か2ヶ所くらいのキーは大きくしてほしいところですが、贅沢な要望かもしれませんね。
キーの配列の中心にあるタッチホイールは便利です。
円の部分をなぞるだけで画像の回転やブラシの拡大縮小などが比較的楽にできます。

 

●付属品

●ペン
Intuos Proのペン

Intuos Proのペンはグリップ部分が徐々に太くなっていて、さらにゴムっぽい素材のため指が滑ることはありません。
また重さも適度です。
Bambooのペンよりは重いですが、愛用のシャーペン(GraphGear500)よりは軽いです。
長時間握っていても疲れにくいペンだと思います。

 

●ペン置き
Intuos Proペン置き Intuos Pro替え芯収納場所

ペンタブのペンは立てかけることにより、長時間ペン先に負担をかけると故障の原因になりやすいそうです。
しかしIntuos Pro専用のペン置きがあるとペン先に負担をかけることはありませんし、机の場所もとらないので有難いです。

ペン置きの中は替え芯をストックすることができます。
私はいつも替え芯を机の引き出しから探すハメになるので、これもまた有難いですね。

 

●ワイヤレスキット
Intuos Proはワイヤレスキット標準装備です。
配線の煩わしさから解放されるので、ワイヤレスは嬉しいですね。
絵を描くとき以外で机の上を使いたいとき、すぐにペンタブを別の場所に移動できるので便利です。

バッテリーの使用時間はWACOMでは12時間と表記されていますが、たしかに12時間くらいかなあという印象です。
充電時間は最初の1回は6時間、その後は4時間となっています。
体感ではバラつきがあり早く感じることもあれば遅く感じることもあります。
もしかしたら描きながら充電すると時間が延びるかもしれません。

 

●オーバーレイシート
Intuos Proはオーバーレイシートという描画面の上で描きます。

オーバーレイシートは表面がざらざらしており、このざらざら感のおかげで紙のような描き心地を得ることができます。
私の感触としてはペンの横ズレが起きずらくなり、またペンを止めたいところに止めやすくなる感じです。

ただしオーバーレイシートは使っている内に磨耗し、早い段階でツルツルになります。
オーバーレイシートは交換できますが、WACOMへ修理扱いの送付になり、費用はMサイズで5,460円とかなり高額です。
この部分に関してはメーカーに改善してほしいですね。

 

●その他
その他の付属品としては、
・ネット環境がない人用のタブレットドライバCD
・アプリケーションソフトのダウンロードキーが記載された用紙
・最初のセットアップのためのクイックスタートガイド
などがあります。

ペンタブの製品マニュアルはありません。
マニュアルが欲しい場合はWACOMのサイトでダウンロードする必要があります。

※クイックスタートガイドにはペンタブをUSBで繋ぐとネットから自動的にタブレットドライバがダウンロードされるとありますが、私の場合ダウンロードされませんでした。
理由ははっきりとはわかりませんが、おそらくBambooのタブレットドライバが原因かなあと感じています。
結局のところWACOMのサイトからダウンロードしています。

 

 

●Intuos Proの描画性能

ここからは主にIntuos ProとBambooの線の描画性能の違いについてお伝えします。

ちなみに
「Intuos4」「Intuos5」「Intuos Pro」の3種
「Bamboo」「新Intuos」の2種
は描画性能が全く同じと言われています。

最新のペンタブ『新Intuos』と『Intuos Pro』の比較にもなりますので、購入の指標のひとつとしていただければと思います。

 


 

●Intuos ProとBambooの筆圧検知レベルの違い

筆圧検知レベルはIntuos Proが2048レベル、Bambooが1024レベルです。
下はペンタブで最も筆圧がかからないように線を引いたときの比較です。

ペンタブの筆圧検知機能の比較

左がBamboo、右がIntuos Proの線になります。
どちらもかなり細く、目に見えるか見えないかの細さですが、Intuos Proのほうが一定で細い線が引けているのがわかると思います。

画像をダウンロードして拡大するとわかりますが、Bambooの線は途切れ途切れで、線が引けてないところが多数あります。
それに比べIntuos Proは途切れている場所もありますが、通常時は見えなかった線も拡大すると引けているのがわかります。

イラストにそんな細すぎる線などいらないと思われるでしょうが、良く考えてみると目に見えないほどの細い線が引けるということは、目に見えるくらいの細い線はもっと楽に引けるということです。
実際にBambooのほうが強く意識しないと細い線は引けませんでした。

ブラシサイズが大きくても楽に細い線が引けるのはIntuos Proの大きなメリットです。
筆圧検知2048レベルは伊達ではないと私は思います。

 


 

●線の入り抜きの表現力の違い

美しい線とは「入り」と「抜き」が綺麗に出る線のことです。
ここではBambooとIntuos Proの入り抜きを比較してみます。

Bambooの線の入り抜き Intuos Proの線の入り抜き

上がBamboo、下がIntuos Proです。
描画ソフトの手ブレ補正機能を切り、綺麗な線を引こうと強く意識せずに普通の感覚で線を引いています。

 

まずは線の「入り」の部分を比較してみましょう。

Bambooは入りの部分の距離が足りず、そもそも入りになっていません。
また先端も歪み気味になっています。

それに対してIntuos Proの入りは失敗しているものもありますが、比較的綺麗に入りができています。

 

次に線の「抜き」の部分を比較してみます。

BambooもIntuos Proも抜きが綺麗に出ています。

しかし良く目を凝らして見てみると、Bambooの抜きは少し癖があります。
Bambooの抜きは線の途中から急激に細くなり、鋭く尖った感じになっています。

それに対してIntuos Proの抜きは急激に細くなってはいません。
ほぼアナログのペンと同じような自然でなめらかな抜きのシルエットになっています。

 


 

●傾き検知機能について

Intuos Proにはペンを傾けたように描画できる傾き検知機能があります。

ただCLIP STUDIO PAINTでペンを傾けて描いても全く変化しないので、傾き変化機能は意味がないと思っていました。
しかし良く調べてみると、傾き検知機能は特定のソフト(PhotoshopやPainterなど)や特定の設定(CLIP STUDIO PAINT)をしないと使えないようです。

CLIP STUDIO PAINTで傾き検知機能を使いたいならば、ペンやブラシのツールプロパティの中にある四角いアイコンをクリックし、「傾き」にチェックを入れる必要があります。

ブラシ個別の設定のアイコン

四角いアイコンは、ブラシサイズやブラシ濃度など複数ありますので、影響を与えたい部分だけ傾きにチェックを入れるとよいでしょう。

今のところ私には必要ない機能ですが、アナログの描き味にこだわる人には必須の機能だと思います。

 

 

●感想

先ほど申したとおりIntuos Proは描線にくせがなく、自然なシルエットになるので、自分が納得できる線を引きやすいです。

そのためペン入れ時のやり直しの回数はBambooの時に比べて半分に減りました。
以前はペン入れにかなりのストレスがあったので、そのストレスがかなり減ったのは個人的に一番嬉しいポイントです。

 

それ以外にも
・ペン入れが苦でなくなったので、色塗りの練習が増えた
・色塗りの練習が増えたので、ツールの使い方が理解できるようになった
・プロのイラストを見ても、どんなツールを使って描かれているか少しずつわかるようになった
など、Intuos Proの恩恵は大きいです。

 

ペンタブ選びに関しては、イラストの練習で使うだけなら廉価版ペンタブで十分だと思います。

しかし多くの人に自分の作品を見てもらいたいなら、もしくは細かい部分まで自分が満足できる作品を作りたいなら、やはり上位版のIntuos Proを視野に入れることをおすすめします。

 

 

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Comment

  1. 匿名 より:

    いつも当サイトを参考にさせていただいています
    質問なのですが、アナログから描き始めた人にとって特段おすすめできるペンタブみたいなものはあるのでしょうか

  2. YOUTON より:

    ご質問ありがとうございます。

    正直に言うと特段おすすめできるペンタブはありません。
    なぜならアナログとペンタブでは描くときの感触がかなり異なるからです。
    たとえ高額なペンタブで描いたとしても、アナログとは違う感触に戸惑う可能性は高いです。

    しかしどちらかというと、やはり上位版のIntuos Proのほうがペンタブに慣れやすいと思います。
    廉価版のペンタブでも充分描けますが、慣れるまで時間がかかるのは間違いありません。

    ペンタブ初心者のためのIntuos購入ガイドのほうでもペンタブについて解説しているので、ぜひ一度目に入れて頂ければと思います。

  3. 匿名 より:

    回答ありがとうございます
    いろいろなタイプのモノがあるらしいと分かったのでペンタブ選びの助けにさせていただきます

  4. みささぎ より:

    ペンタブをIntuos Proに買い換えようと思っているのですが、とても参考になりました。
    僕はまだまだ素人ですが、このブログのおかげもあって、一年前よりも見違えるほど上達できました。

  5. YOUTON より:

    Intuos Proを購入してすでに2年経っていますが、今のところ壊れる気配もなく充分に使えています。
    個人的にもおすすめです。

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