ペンタブ初心者のためのIntuos購入ガイド

公開日: : レビュー記事

wacom Intuos Pen Sサイズ CTL-480/S0

デジタルでイラストを始めたい初心者にとって一番気になることといえば、どのペンタブを選べばよいかということです。
ひとくちにペンタブといっても様々な機種があり、サイズがあり、値段があります。

選択肢はそれなりに多いので迷いどころだと思います。

ここではワコムを代表するペンタブ『Intuos』シリーズに絞り、購入に際しての基準や目安、注意点などについてお伝えします。

 

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●IntuosとIntuos Pro

ペンタブを買うにあたり一番最初に考えるべきことは、どの機種のペンタブを選ぶかということです。

WACOMのペンタブは『Intuos』『Intuos Pro』に分かれます。

IntuosとIntuos Proはネーミングが似ていて、Proの名称が付くか付かないかだけの違いですが、この2つは全く違うペンタブです。

Intuosは廉価版であり初心者用
Intuos Proは上位版でありプロモデルとなります。

Intuos:
wacom Intuos Pen Sサイズ CTL-480/S0

Intuos Pro:
wacom Intuos Pro medium Mサイズ PTH-651/K0

当然Intuos ProのほうがIntuosよりも描画性能は上です。
描画性能とは自分が狙ったところに綺麗な線が引ける性能のことです。

残念ながらペンタブは紙ほど思い通りに線を引くことはできません。
素早くペンを動かさなければ綺麗に線が引けませんし、かといって早く動かすと今度は自分の描きたい位置からズレてしまいます。

狙ったところに線が引けることは絵を描く上で最も重要な要素です。
ペンを自分の手足のように扱えることは絵描きにとって最も重要視するべきことだと思います。

IntuosとIntuos Proを比較した場合、Intios proのほうがある程度スピードを緩めても綺麗な線になります。
また、イラスト制作ソフトの手ブレ補正機能(線を綺麗にする機能)をOFFにしても少し神経を使いますが綺麗な線を引くことが可能です。

IntuosはIntuos Proほどの描画性能はありませんが、そのかわり軽い、電気消費量が少ない、値段が安いなどのメリットがあります。
そのためノートパソコンとともに気軽に外に持ち出しやすいです。

ペンタブは結局のところ慣れです。
たとえ廉価版のIntuosでも慣れによって充分な性能を発揮します。

 

 

●重要なサイズ選び

次に考えるべきはペンタブのサイズについてです。
WACOMのペンタブはS、M、Lの3サイズに分かれますが、IntuosはSとMの2サイズのみでLサイズがありません。

Intuos:
Sサイズ 外形寸法 209.9×177.5×10.0mm 読取可能範囲 152.0×95.0mm
Mサイズ 外形寸法 275.0×221.5×10.1mm 読取可能範囲 216.0×135.0mm

Intuos Pro:
Sサイズ 外形寸法 320.1×207.8×11.5mm 読取可能範囲 157.5×98.4mm
Mサイズ 外形寸法 379.9×251.4×11.5mm 読取可能範囲 223.5×139.7mm
Lサイズ 外形寸法 487.1×317.7×12.0mm 読取可能範囲 325.1×203.2mm

外形寸法はペンタブそのものの大きさ、読取可能範囲はペンタブで描画する範囲の大きさのことです。

 

サイズを選ぶ前にはまずペンタブの特性について知らなければなりません。

普段私たちが紙に絵を描くとき、ペンを1cm動かせば1cmの線が引けます。
それに対しペンタブはペンを1cm動かすと、パソコンの画面上では1cm以上の線の長さになります。

これはペンタブの読取可能範囲とモニターの大きさが異なることが理由です。
そしてペンタブとモニターの大きさの差が離れれば離れるほどその傾向は強くなります。

例えばSサイズのペンタブで24型のモニターで描いた場合、ペンタブでペンを1cm動かすとモニター上ではおおよそ3cmは動きます。
これはかなり描きづらい状態です。

ほんの少しペンを動かしただけでカーソルが早く動くので、狙いが非常に定まりづらくなります。

WACOMのサイトではモニターサイズ別の推奨として
Sサイズ 15型以下
Mサイズ 15~24型
Lサイズ 24型以上
としています。

ちなみに私は24型のモニターでMサイズを使用しています。

 

モニタサイズで決められない場合は自分の描画スタイルで決める手もあります。
例えば紙に描くとき、腕を使って大きく描く人は大きいサイズを、手首や指だけで小さく描く人は小さいサイズを選ぶと良いでしょう。

そのほかペンタブが置けるスペースがあるかどうかも関係してきますので、よく考えた上でサイズを選んでいただければと思います。

 

 

●初心者用ペンタブIntuos

ここからがIntuosシリーズの個別モデルの説明になります。

●ペン入力のみのIntuos pen

Intuos pen(CTL-480/S1)はペン入力のみのモデルです。

後述するマルチタッチ機能はなく、付属ソフトは「ArtRage 3.5 Studio」「Autodesk SketchBook Express」の2つになります。

サイズはSサイズのみで価格は最も安い9,180円。

ペンタブはペン入力さえできれば良い人、もしくは一番安いのが欲しい人向けのモデルです。

 


 

●タッチ機能付きのIntuos pen & touch

Intuos pen & touchはIntuos penにマルチタッチ機能が付いたものです。

マルチタッチ機能は1~4本の指をペンタブに当てて動かすだけでクリックしたり、スクロールしたり、回転したり、拡大縮小したりなど様々な画面上の操作を行うことができます。

使い方によっては作業効率の上がる、たいへん便利な機能といえるでしょう。

ただし私の感想としてはマルチタッチ機能はまだ発展途上だと言わざるをえません。
ダブルクリックしたくないところでダブルクリックしてしまったり、指の動きがスムーズにいかなくて思いどおりの動作が行えないなど改善の余地があると感じます。

結局私はマルチタッチ機能はOFFにして使っています。

Intuos pen & touchは
Sサイズ(CTH-480/S2)が12,322円
Mサイズ(CTH-680/S2)が19,523円
です。

付属ソフトはIntuos penと同じ「ArtRage 3.5 Studio」「Autodesk SketchBook Express」の2つです。

以前は「Adobe Photoshop Elements 11」が付属していましたが、変更になりました。
どうしても欲しい方は旧型番(S0)を探すしかありません。

 


 

●イラスト・マンガ制作ソフト付きのIntuos comic

Inuos pen & touchにイラスト・マンガ制作ソフト『CLIP STUDIO PAINT PRO』が付属したモデルです。

CLIP STUDIO PAINT PROはsaiと並ぶ現在最もメジャーなお絵描きソフトです。
ペンタブを使うことが前提のソフトであり、ペンタブ使用時の便利な機能が充実しています。

このソフトが一本あればイラスト制作の大抵のことができるでしょう。

ただしIntuos comic付属のCLIP STUDIO PAINT PROは製品版と違い制約があります。
まずは2年間しか使えないこと(救済あり)
そして一部フォントとメーカートーンが使えません。

>>「CLIP STUDIO PAINT PRO」バンドル版と製品版の違いについて

機能制限を望まない人はIntuos comicは避けたほうが良いでしょう。

Intuos comicは
Sサイズ(CTH-480/S3)が13,824円
Mサイズ(CTH-680/S3)が21,384円
です。

付属ソフトは「CLIP STUDIO PAINT PRO(2年ライセンス版)」のみで、「ArtRage 3.5 Studio」「Autodesk SketchBook Express」は付属しないことに注意してください。

 

 

●プロ御用達のペンタブIntuos Pro

Intuos ProはS、M、Lの3サイズと特別仕様のSpecial Editionのラインナップです。

Sサイズ(PTH-451/K1) 25,509円
Mサイズ(PTH-651/K1) 35,794円
Lサイズ(PTH-851/K1) 49,165円

全モデルにワイヤレスキット付属、ファンクションキー8つ(Sは6)、タッチホイール1つです。

付属ソフトはありません。
ただし旧型番の「K0」には「Adobe Photoshop Elements 11」と「Autodesk Sketchbook Express」が付属しています。

在庫があるなら旧型番を視野に入れたほうが良いでしょう。

Intuos Proの描画性能は数字で見てもIntuosの全てを上回っています。
筆圧レベル2倍、読取分解能2倍、読取精度2倍、読取速度1.5倍

さらにIntuosにはない傾き検知機能が付いています。

またIntuos proの描画面はオーバーレイシートというざらざらした質感で、まるで紙の上に描くような心地です。

ただしこのオーバーレイシートは使っているうちに磨耗し、次第につるつるになっていきます。

仮にオーバーレイシートを新品に交換したい場合、修理という扱いでWACOMに送付という形になります。(修理費は高額)

Intuos proは購入代も維持費もかかります。
しかしこれら描画性能は確実に作品の質の向上、制作時間の短縮、ストレスや疲労の軽減に繋がります。

時間的制約のあるプロにとってIntuos Proの性能は大変有難いものといえるでしょう。

 


 

●特別仕様Intuos pro Special Edition

Intuos pro Special EditionはIntuos ProのMサイズ(PTH-651/K1)と機能的には全く同じです。

新たに付属ソフトが付いているわけでもありませんし、オプション品が追加されているわけでもありません。

唯一違う点はカラーリングが違うことです。
上下のフレームにシルバーが配されていて、見た目が美しいです。

Mサイズ(PTH-651/S1) 38,880円

サイズはMのみで、Intuos proのMサイズよりも価格が3,000円ほど高くなっています。
3,000円の価格差を考えることなくカラーリングが気に入った人が買うモデルだと思います。

 

 

●その他補足

ここからは上記では説明しきれない細かい部分に触れていきます。
重要な情報もあるかもしれませんので、一度目を通していただければと思います。

●XP未対応

Intuos、Intuos Proの動作環境は
Windows Vista(SP2以降)/Windows 7(SP1以降)/Windows 8
Mac OS X 10.6.8以降
となります。

見ての通りWindows XPはサポート対象外です。

もしお使いのOSがXPだった場合、素直に過去のペンタブを購入したほうが無難です。

ちなみに2013年9月6日からペンタブのシリーズ名が変更になっています。

「Bambooシリーズ」が「Intuosシリーズ」に
「Intuosシリーズ」が「Intuos Proシリーズ」に

表記がかなりわかりづらいですが、一口にIntuosと言っても、旧Intuosと現Intuosは別物だとわかっていただければと思います。

 


 

●ケーブル不要のワイヤレスキット

ワイヤレスキットはペンタブをワイヤレスで使いたいときのオプション品です。

といってもIntuos Proにはすでに標準装備されており、ワイヤレスキットを単品で購入することを考えるのはIntuosのみとなります。

元々製品の中にはUSBケーブルが入っていますが、長さが1メートルしかありません。
お使いのパソコンの周辺状況によってはケーブルが届かないことがあります。

パソコン本体とペンタブの距離が離れている場合は、このワイヤレスキットを使うか、新たに長いUSBケーブルを買いなおす必要があります。

 

ワイヤレスキットはバッテリーを使用しますが、モデルによってペンタブの連続使用時間が変わります。

Intuos pen 48時間
Intuos pen & touch 30時間
Intuos comic 30時間
Intuos pro 12時間

見ての通りIntuosのほうが連続使用時間が長いです。
ワイヤレスキットはボタンひとつでONOFFできるので、使わないときはこまめに消すとよいでしょう。

 


 

●ファンクションキー

ペンタブにはファンクションキーというボタンが設置されています。
ボタンを一押しするだけで、ショートカットやメニューの呼び出しなどができるのでたいへん便利です。

Intuosはペンタブ上部の左右に2つずつの計4つ

Intuos Proは利き腕側の反対側に8つ(Sサイズは6つ)とタッチホイール(なぞるだけで回転や拡大縮小などができる機能)が付いています。

簡易的な左手デバイスとして使えるので、イラスト制作が多少楽になります。

 


 

●替え芯

ペンタブ専用のペンは使っているうちに芯が磨耗します。
磨耗したら芯は交換しなければなりません。

といってもIntuosには最初から替え芯が3本付いています。

またIntuos Proにも通常の芯のほかバネ入りの芯やゴム素材のペンなど、計10本の芯が付いています。

とりあえずペンタブ購入時に買い足す必要はありません。

 


 

●付属のアプリケーションソフト

ペンタブにはイラスト用途に使えるアプリケーションソフトが付属していますが、これらは基本ダウンロード版です。(全部ではありません)
製品の中の用紙にダウンロードキーが記載されているので、ネットでキーを打ち込みダウンロードします。

>>ワコムソフトウェアダウンロードページ

 


 

●マニュアルのダウンロード

ペンタブの製品版にはクイックスタートガイドというセットアップ方法が載った冊子がついています。
しかしマニュアル自体はありません。

マニュアルはネットでダウンロードする必要があります。

>>ワコムマニュアルダウンロード

 


 

●CLIP STUDIO PAINT

ペンタブとは直接関係ありませんが、お絵描きソフトであるCLIP STUDIO PAINTについてもお伝えします。

セルシスのイラスト・マンガ制作ソフトCLIP STUDIO PAINTは『PRO』と『EX』の2種に分かれます。
PROが通常版とするならばEXは上位版であり、特にマンガ制作における機能が充実しています。

>>CLIP STUDIO PAINT機能一覧

それぞれ30日間の体験版があります。
ペンタブを購入後、ダウンロードしてお絵描きソフトを選ぶ一つの指標としていただければと思います。

>>CLIP STUDIO PAINT体験版ダウンロード

 


 

●注意

※この記事に記載された価格はすべてWACOMストア価格になります。

※この情報は2015年1月23日現在のものです。時間の経過により情報が変化することは充分に考えられます。購入時には必ずメーカーやショップのHP等で情報を確認していただきますようお願い致します。

 

>>Intuos機能比較表

>>Intuos Pro機能比較表

>>アマゾンのワコムペンタブレット機能比較表

 

 

●最後に

かなり長くなりましたが、Intuosシリーズの説明は以上です。

廉価版と上位版の違い、サイズの違い、描画性能の違い、価格の違い、付属ソフトの違いなど選択項目が多いです。
しかし情報を多く集め吟味するほどより満足した買い物ができると思います。

今回の記事がペンタブを買う初心者にとって参考になれば幸いです。

 

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