狙ったところに一回で線が引けるようになる方法

公開日: : 萌え絵上達法

絵の上手い人は一回ささっと線を引くだけでものの形を取ることができます。
初心者なら誰しも一度は憧れますよね。

それだけに一回描きは、絵の鍛錬を積んだ上級者だけがなしえるテクニックだと思ってしまいがちです。

しかし一回描きはいざ挑戦してみると、意外にそこまで難しくありません。
いきなりすぐできるわけではありませんが、何年もの修行が必要なわけでもないのです。

 

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●手の記憶について学ぼう!

ではなぜ一回で描くことはそれほど難しくはないのでしょうか?

その理由は「手の記憶」にあります。

記憶というと普通は目で見て覚える「目の記憶」がまず最初に思い浮かぶと思います。
美しい景色とか、人の顔とか、ものの形とかは目で見て覚えますよね。

それに対して手の記憶は「手で触った感触」「手をどのように動かしたか」を覚えます。

ごはんを食べるときの箸の使い方
携帯でメールを打つときの指の動かし方
車を運転するときのハンドルの捌き方

これらは全て手の記憶によって身につけたものばかりです。

いわゆる「体で覚える」と意味はほとんど同じです。
体で覚えるの手のバージョンみたいなものですね。

 

この「手の記憶」は「目の記憶」よりもはるかに覚えやすく忘れにくいという特徴があります。

もともと手の記憶は人類が高度な知能を有する前から存在していたものです。
日々食料を獲得するために手を使っていたことを考えると納得できると思います。

昔の友達の顔ははっきりと思い出せないのに、昔やった遊びはほんの少し遊んだだけで思い出せる。
けっこう身に覚えがあるのではないでしょうか。

それだけ手の記憶は数ある記憶法のなかでも優秀です。
となると線を引くことも目で記憶するより、手で記憶してしまったほうが手っ取り早いといえます。

 

 

●線を引いているときの手の感覚を記憶しよう!

手で記憶できるのは線を引いたときにどのように手を動かしたかです。

線を引くときのスピードはこれくらい
筆圧の強さはこれくらい
曲線の曲げ方はこれくらい

などなど、線を引いているときの手の動きの感覚を記憶します。

そしてこれらを効果的に記憶するには一回で線を引くことがベストです。

 

初心者は迷い線が多く、シャカシャカと線を何本も重ねてしまいがちです。
しかしシャカシャカ手を動かせば、手で記憶できるのはシャカシャカした手の動きだけです。

その分、一回で線を引けば、線の引き始めから引き終わりまでの感覚が手に残ります。
そして繰り返し線を引けば、その感覚はよりはっきりと鮮明になっていきます。

 

髪の毛を描けるようになりたいなら、髪の毛の線を一回で引いてみてください。
足を描けるようになりたいなら、足の線を一回で引いてみてください。

一回で線を引くことを繰り返すことで、髪や足を描くときはどのように手を動かせばいいのか次第にわかってきます。

このときは立体は考えられていません。
しかし、とりあえず手の動か方がわかってくると、次の立体を意識して描くことが易しくなっていきます。

 

 

●最初はゆっくり丁寧に!

といっても初心者にとっていきなり一回で線を引くことはなかなか難しいと思います。
しかし心配する必要はありません。

なぜなら一回で描くといっても別に速く手を動かす必要はないからです。
それどころか、ゆっくり手を動かしたほうが断然手で記憶しやすくなります。

何事も技能を身に付けるには、最初はゆっくり丁寧にが鉄則です。
これは線を引くことにも十分当てはまります。

 

模写するとき、手本を見ながらゆっくりゆっくり手を動かして線を引いてみてください。
遅いスピードなら初心者でも無理なく線を引くことができます。

筆圧とか線の入り抜きを気にする必要は全くありません。
線が美しくならなくても良いので、ゆっくりゆっくり手を動かしてください。

何度も同じような線を引いていれば、意識しなくても勝手にスピードは上がっていきます。
線を引くことに慣れさえすれば、いずれはちゃんと適度なスピードと筆圧の線になります。

 

※注意点

  • 自分の描き慣れないところや形が良くわかっていないところは強く意識してスピードを落としてください。
    髪の毛、手足など難しいところは本当にゆっくり線を引くことで気づくことがたくさんあります。
  •  

  • ゆっくり手を動かすとおのずと筆圧が高くなります。
    手首を傷めないためにも、最初は紙と(やわらかい)鉛筆で練習することをおすすめします。

 

 

●一回で線を引くことの大きすぎるメリット

一回で線を引くことには様々なメリットがあります。
いずれも少しだけお得とかそういうレベルではない、かなり大きい恩恵です。

 

●ペンコントロール能力の向上

一回で線を引いていると狙ったところに線を引く力(ペンコントロール能力)が向上します。

絵描きにとって狙ったところにペンを走らせることは最も重要な技能のひとつです。

現在はデジタルの普及により簡単にやり直しができますが、昔はペンコントロール能力なくしては絵は描けませんでした。

ペンコントロール能力が高まると、線に対する意識が少なくなります。
意識が少なくなれば、その分のリソースを立体把握や全体のバランスなどに集中できるので、当然イラストの質も高くなります。

 

●描くスピードが早くなる

一回で線を引くとイラストの仕上がりが今までよりも段違いに早くなります。
かなりテンポ良く描き進められるので一日に描ける量も増加します。

私感では線を重ねて描いていたときと比べて2,3倍くらい描くのが早くなった印象です。
ですので練習時間は以前と変わらなくても、描く量は2,3倍になっています。

 

●イメージの変化

一回で線を引くと、頭の中のイメージも変化します。

頭の中で線を引くときの手の動かし方をイメージできるので、その手の動かし方をきっかけにして線を視覚化する感じです。

いきなり線を視覚化するよりも、こっちのほうが簡単だと思います。

 

 

●最後に

絵の上手い人がよく言う「たくさん描くと上達する」は結局のところたくさん描くと手の記憶が増えるからだと私は思っています。

意外にも線の引き方を手で記憶しているだけでもイラストは描けます。
多少立体感は乏しくなるかもしれませんが、それでもイラストが描けるのですから結構すごいことだと思います。

それだけに萌え絵のような「線を主体としたイラスト」を描きたいのであれば、なるべく早い段階で一回描きに移行することをおすすめします。

 

 

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