アナログとは違うデジタルイラストの描き方

公開日: : デジタルイラスト関連

紙の上に描くアナログイラスト、ペンタブを使いPC上に描くデジタルイラスト。

どちらも描くことは同じですが、その描画スタイルの違いにより、アナログにはアナログの、デジタルならデジタルの描き方があるように思えます。

個人的に思うデジタル特有の描き方は2つ。

これが絶対というわけではありませんが、強い傾向だと思いますのでご紹介します。

 

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●デジタルの描き方その1『キャンバスを拡大して描く』

デジタルイラストの特徴の1つ、それはデジタルが「キャンバスを拡大して描くことを前提としている」ということです。

キャンバスとはアナログにおける紙のこと。

そしてアナログではキャンバスはそのまま紙の大きさになりますが、デジタルの場合はキャンバスを拡大したり縮小したりして描くことができます。

では何故デジタルはキャンバスを拡大して描くことを前提としているのでしょうか?

 

例えばノートパソコンは画面が小さいので、キャンバスサイズも小さいです。

キャンバスサイズが小さければ、それだけ中のキャラクターも小さく描かなくてはなりません。

小さく描けば、それだけ目も疲れますし、ペンコントロールも難しくなります。

つまりキャンバスサイズが小さい状態で描くのは少々きつい部分があるということです。

そのためある程度快適に描くためには、キャンバスを拡大して大きく描く必要があります。

 

今度はデスクトップの大きなモニタの場合を考えてみましょう。

モニタが大きくなれば、キャンバスサイズを大きく取ることができます。

しかし今度はペンタブ(板タブ)の問題が発生します。

通常アナログでは1㎝ペンを動かせば1㎝の線が引けます。

それに対し、ペンタブでは1㎝ペンを動かせば、1㎝の線にはなりません。

最近は大きなモニタが普及し、ペンタブはSかMサイズが特に売れています。

そしてモニタは大きい、ペンタブは小さいとなると、1㎝ペンを動かすと画面上ではだいたい2㎝以上の線になります。

これは画面上で細かく描き込むとき、ペンタブでは描きたいものの大きさの、さらに2分の1の範囲でペンを動かすことになるので、ペンコントロールが非常にシビアになります。

つまりいくらモニタサイズを大きくしても、ペンタブのサイズとのギャップが大きければ快適には描けないということです。

そのためある程度快適に描くためには、キャンバスを拡大する必要があります。

 

このようにデジタルではキャンバス全体を常に見渡せる状態で描くのは、かなりつらい面があります。

そのため、デジタルでは描きたい部分のキャンバスを拡大し、拡大した分だけ大きく描くのが一番描きやすい方法です。

ためしにキャラクターの顔を、アナログのときと全く同じような大きさで、画面を全く見ずにペンタブで描いてみてください。

画面に表示された顔の大きさが、あなたにとって描きやすい顔の大きさになります。

次からはその顔の大きさを参考に拡大して描いてみると良いでしょう。

描きやすいと感じるはずです。

(描く大きさはケースによって変わります。必ずその大きさで描かなくてはならないわけではありません)

 

※下はキャンバスを拡大して描くときの一例です。
(縦長のキャンバスで女の子の立ち絵を描く場合)

・頭を描くとき → 頭と上半身が見えるくらいに拡大
・胴体を描くとき → 頭と胴体が見えるくらいに拡大
・腕、脚を描くとき → 拡大しない、キャンバス全体が見渡せるサイズで
・目鼻口、手足を描くとき → かなり拡大

 

キャンバスを拡大して描いている間は、全体を見渡してのバランスのチェックができません。

全体のバランスをチェックしたいときは、ナビゲータバレットを見るか、キャンバス全体の表示に戻す必要があります。

これはデジタルの大きな欠点のひとつです。

全体を見渡しにくい以上、デジタルはアナログよりも全体のバランスが取りにくいと言えるでしょう。

 

こう書くとデジタルよりアナログのほうが優れているように感じます。

しかしデジタルにはこの欠点を補って余りある、次に挙げる最大のメリットがあります。

 

 

●デジタルの描き方その2『修正を前提として描く』

デジタルの最大のメリット、それは「修正がしやすいこと」です。

「ひとつ前に戻る」を代表に、レイヤー機能、マスク機能など、デジタルには修正しやすくするための機能が揃っています。

その機能の中でも特に強力なのが、「拡大、縮小、回転、移動、自由変形などの変形ツール」です。

少し頭を大きく描きすぎたと思えば、縮小ツール
腕の角度を間違えたと思えば、回転ツール
目の位置がズレていると思えば、移動ツール

などなど、変形ツールを使えば、迅速かつ簡単に修正することができます。

模写のときも比較的簡単に元絵に似せることができるので、非常に強力なツールだと言えるでしょう。

(※注意 なるべくペン入れ前までには修正は終わらせておきましょう)

 

このようにデジタルは修正が簡単です。

そのため描く途中でミスに気づいても「今すぐに修正する必要はない、あとで修正すれば良い」という考えが生まれます。

つまりデジタルは「後で修正することを前提として描く」部分があります。

「少し頭を大きく描きすぎた」「腕の角度を間違えた」「目の位置がズレている」と気づいても、今すぐに修正する必要はなく、後でまとめていっぺんに修正ができるわけです。

これがアナログならそうは行きません。

ミスに気づいたらすぐに消して描き直す必要があります。

 

もちろんデジタルでもミスをしないよう描くべきです。

しかし拡大して描くことが多い以上、デジタルのほうがバランスが取りにくいのは間違いありません。

そのデジタルの欠点を補ってくれるのが、修正ツールです。

「拡大して描く」そして「修正を前提として描く」
これがアナログとは違うデジタルの描き方だと私は思います。

 

 

●最後に

個人的にデジタルはイラストの基礎画力をつけるための練習用途には向いていない気がします。

やはり基礎を身につけるには全体を見て描くことが重要ですし、修正ツールに頼らない環境が画力を向上させると思うからです。

その理由から、絵を始めたばかりの初心者にはアナログをおすすめします。

そしてある程度描けるようになってきて、そろそろ色塗りの練習もしたい!となったらデジタルへ移行すれば良いのではないかと思います。

とりあえずデジタルにしたからといって、すぐに絵が上手くなるわけではないのでご注意ください。

 

 

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